【卯雨庵】十一月のお道具組【写真でご紹介&季節の御菓子】
こんにちは、Sunnyです。
朝夕の寒暖差が大きく、乾燥するころになりましたね。今年の寒さは夏が暑かったぶん訪れが早く?(と人に教わりました)、気づくと近場の山の紅葉も見頃を過ぎたようです。コロナウィルスで気を付けた生活をしていますが、やはり外に出ないと大きく季節を感じないなとも思います。今年は、思い出しながらやっていくしかないですね。
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十一月の茶室
11月は、開炉(かいろ)の月です。お茶を点てるお湯を沸かすのには、主に2種類「風炉(ふろ)」か「炉(ろ)」を使います。
また、口切(くちきり)といい、初夏につんだ「新茶」を開封する頃合いとなります。
以上のことがおめでたくもあり、11月は「茶人の正月(ちゃじんのしょうがつ)」とも呼ばれます。
11月の行事としては、祝日に「文化の日(3日)」「勤労感謝の日(23日)」、節気として「立冬(7日ごろ)」、また「七五三(15日)」などがあります。また、11月の陽気の良くなった昼間を指して「小春びより」とも言います。お茶で正月だからではないのですが、なんとなく秋の陽気の良い、わくわくするような月ですね。
それでは、十一月の雰囲気を湛えたお茶道具をご紹介します。
毎月、私の妄想・物欲の蔵から取り出してご紹介いたします(各画像は楽天市場の店舗様からお借りしています。クリックすると詳細をご覧いただけますよ)
目次ー十一月の茶室ー十一月のお道具組ー十一月におすすめのお茶菓子ーお稽古近況
ー十一月のお道具組
「勤労感謝」にちなんで、まじめぶりなお道具を探してみました。
定番で、和歌など「文書」のものをまずは探しました。
よく見ると、これは「利休百首」。お正月だから、決意新たにでいいかも(笑)
よく見ると、これは「利休百首」。お正月だから、決意新たにでいいかも(笑)
有名な和歌の絵付けのお茶碗もよく見ます。上と同じく、「扇面」に書き付けた様式。ゴールドが月(秋の季語)のようでよいです。
そのものずばりで「巻物」。絵巻物になってしまいますが。構造が気になる香合(こうごう)です。
美しい月を見て郷愁に涙を流し…中略…手紙を山頂で焼く「かぐや姫」の物語テーマでお茶会をするときにはぜひ持っておきたい(物欲)
手びねりで作られる楽焼、温かみのあるうわぐすりと雪の結晶の模様がかわいいお茶碗。北欧っぽいセーターのような印象です。「日ざしはあったかいけど風は冷たいね」なんて話しながら。
今月が(たぶん)時期的にラストになるので、美しい紅葉のお道具もたくさん使ってください。
秋らしいモチーフといえば…で「柿」。
乾漆(かんしつ)という方法で作られた香合です。柿の香合はリアルな造形のものが沢山(私の先生が持っている沖縄でお求めという荒焼(あらやち)のも本物そっくり)
「香合 柿」でやけに「タイ産」のものが出てくると思いましたら、
こういう絵付けのやつ。柿の原型が…
桃山時代から江戸初期にかけて、タイ・スワンカーク地域で作られた茶器が沢山輸入された歴史があるようです。総称して宋胡録(スンコロク)と呼ばれており、鉄を含んだ釉薬で絵付けした「鉄絵」であるのが特徴です。
日本向けに「柿」で作ってみたものの、ずいぶんアレンジしてあるのでしょうか。スンコロクの「柿香合」には「どうもマンゴスチンに似ている」と思われるものもあります笑。
茶人の正月、開炉(かいろ)、口切(くちきり)など「ハレ」の話題に事かきませんので、台子や長板のお席もあるかと思います。
上の写真:左から建水・杓立て・蓋置・水指 ですが、これらを「おそろい」でそろえることを「皆具(かいぐ)」といいます。伝わる威圧感(格)ですね。
皆具も色々です。11月は五行で「水」なのでまずは黒とか。
うわぐすりをけずって下地を出し模様にする「掻き落とし」という方法の皆具。単品でも普段使いできそうという理由で選びました。大胆な柄で洋の感じもある。
凝った交趾(こうち)の皆具。低温でゆっくり焼くことで鮮やかな色彩が残ります。流水に扇面、四君子(花や木のビッグフォー、みたいな)文様ですね。明るい日、ハレの日にふさわしいお道具です。
ー十一月におすすめのお茶菓子
十一月の風物詩として、酉(とり)の市に行かれる方もいるでしょう。浅草の鷲(おおとり)神社などが有名です。そこでは、いつしか「切山椒(きりざんしょう)」というお菓子が有名になったのだとか。
山椒といえば、しらすの炊いたんとか鰻の蒲焼のときくらいしか登場してこない我が家でしたが。上「藤岡の虎屋本店」さんのおせんべいには「山椒味」があって驚きました。食べてみると、甘い素朴な生地と山椒の風味がマッチして、とても美味しいです!すこし口の中に薬味らしい清涼感が残ります。11月のお菓子でご紹介しようと思っておりました。
切山椒も、本来はお正月用のおめでたいお菓子(甘いお餅に山椒粉を混ぜ、拍子木の形に切ったもの)だそうですが、遠州も好んで食べたそうです。寒くなるころ、身体の温まる干菓子としてお出ししたいですね。
こちらの十一月の茶花の記事、スパイスの入ったお茶の記事もどうぞ。
コロナ禍のやちむん支援プロジェクトを見つけました
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